今回は、外構工事の現場でもよくご質問をいただく「白華現象(はっかげんしょう)」について詳しくご紹介します。
門柱や塀、ブロックの表面に白いモヤモヤした粉や筋のようなものが浮いてきた経験はありませんか?
見た目にはちょっと驚くかもしれませんが、それはもしかすると 「白華現象」 かもしれません。
外構工事では比較的よく見られる現象で、見た目の美しさに関わることから、ご心配になる方も多いです。
この記事では、白華現象の意味や原因、構造への影響、予防方法、そして実際の施工事例まで分かりやすく解説していきます。
白華現象って何?
白華現象とは、 コンクリートやモルタルの表面に白っぽい粉や結晶が浮き出る現象 のことを指します。
専門用語では 「エフロレッセンス(Efflorescence)」 とも呼ばれています。
表面に白く粉状のものや筋が出るため、仕上がりの美観を損ねる原因になります。
「せっかくきれいに施工したのに…」と、見た目の面でがっかりされる方も少なくありません。
ただし、この現象は 構造的な強度にはほとんど影響がない ため、コンクリート自体が弱くなるわけではありません。
あくまで美観上の問題として理解しておくことが重要です。

なぜ白華現象は起きるの?
白華は、次のようなプロセスで発生します。
- コンクリート内部には水に溶けやすい成分(カルシウム、ナトリウムなど)が含まれています。
- 雨水や地下水などがコンクリートに浸透し、これらの成分を溶かし出します。
- 水に溶けた成分が表面に運ばれ、空気中の二酸化炭素と反応することで白い結晶として表面に浮き出ます。
つまり、水+空気+セメントの成分 が揃うことで白華現象は発生します。
外構工事では、特に雨にさらされる門柱や塀、ブロックでよく見られるのはこのためです。生します。
構造的に問題はあるの?
先ほども触れましたが、白華現象は あくまで見た目の問題 であり、コンクリート自体の耐久性や強度に大きな影響はありません。
しかし、外構はお家の顔ともいえる部分。
見た目が白く粉っぽくなるだけでも、完成後の印象を大きく左右するため、美観を気にされる方には注意しておきたい現象です。
白華現象を防ぐ方法
白華現象を完全に防ぐことは難しいですが、発生を 最小限に抑える方法 はあります。
1. 撥水処理を施す
コンクリートやブロックの表面に撥水剤を塗ることで、水の侵入を防ぎます。
水分が入らなければ、白華現象の原因となる成分が表面に運ばれることも少なくなります。
2. 施工後の養生をしっかり行う
打設直後に急激に乾燥させると白華が出やすくなります。
適切な養生(湿潤状態を保つこと)で水分のコントロールを行うことが大切です。
3. 排水計画を意識する
水がたまりやすい場所では、白華が出やすくなります。
外構工事では、適切な勾配や排水経路を設計することも重要なポイントです。
白華現象が出てしまった場合の対処法
もし施工後に白華が出てしまった場合も、慌てる必要はありません。
軽度のものから頑固な白華まで、対応方法はいくつかあります。
- 市販の白華除去剤(エフロ除去剤)を使用する
酸性の洗浄剤で白華を分解できます。
使用する際は、必ずゴム手袋や保護メガネを着用し、洗浄後は水で十分に中和してください。 - 乾いたブラシで軽くこする
軽度の白華なら、乾いたブラシでこするだけで取れることもあります。 - お湯+ブラシで洗浄
少し頑固な白華には、お湯を使いながらブラシで洗うと効果的です。
弊社施工事例のご紹介
ここからは、弊社が実際に施工した白華現象の補修事例をご紹介します。
門柱の白華現象を補修!
施工前
門柱の表面に白く筋状の汚れが浮き出ているのが確認できます。
これはコンクリート内部の成分が表面に出てくることで起きる現象で、雨水の影響で徐々に現れます。

施工後
再塗装を行うことで、白い筋はすっかり見えなくなりました。
新築当時の美しい仕上がりを取り戻すことができ、お客様にも大変ご満足いただけました。
外構はお家の顔ともいえる部分です。
白華現象が出てしまった場合でも、適切な塗り直しやメンテナンスを行うことで、見違えるほどきれいに仕上げることができます。

まとめ
白華現象は、コンクリート施工において 自然に起こり得る現象 です。
- 見た目の問題で構造にはほとんど影響なし
- 水、空気、セメント成分が揃うことで発生
- 施工方法や養生、撥水処理で発生を最小限に抑えられる
- 発生した場合も、ブラシ洗浄や除去剤で対処可能
原因や対策を知っておくだけで、未然に防ぐこともできますし、発生しても落ち着いて対応できます。
同じようなお悩みをお持ちの方や、外構やコンクリート施工で困ったことがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
経験豊富な専門スタッフが丁寧にサポートいたします!